四柱推命など東洋の占いの基盤となる陰陽五行説。
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の「十干」は、木火土金水に陰陽が当てはめられた名称です。この陰陽五行説が生まれた段階で、この名称が付けられたのではなく、元々あった名称を活用したようです。
古代中国の人々が、数値化するのに用いたのが手の指です。両手で10本、これが物を数えたり月の満ち欠けを基準にした暦の日数にも利用されました。その際に、手の指に名称を付けたのが、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸。右手の親指に甲を、そしてそこから順に当てはめ最後に左手の小指を癸にしました。ちなみに、両手の指は元々「浣(かん)」と呼ばれ、後に「干」となりました。これが、十本の指で「十干」となるわけです。その後、陰陽五行説が生まれた際に10の単位として丁度良かったのが、この「十干」なのです。
ちなみに「十干」同士で最も相性の良い組み合わせを「干合」と言います。
甲⇔己、乙⇔庚、丙⇔辛、丁⇔壬、戊⇔癸の組み合わせです。
何故、この組み合わせが最も良いかと言うのは未だに解明されていませんが、手の平を合わせた時に、指が重なるのがこの組み合わせ。意外と単純な発想が「干合」の起源かもしれませんね。
記:谷口尚煕