運は食にあり Ⅲ

 

観相師である水野南北が「人の運は食にあり」と唱えたのは江戸後期のことです。

概略を説明しますと、彼は幼少期に孤児となり十歳の頃から飲酒を始め、十八歳の頃盗みを犯し入牢します。そこで囚人と娑婆の人間との間の人相に極だった違いがある事に気づき、観相に興味を持ちます。

出獄後易者に自分の人相を見てもらったところ、険難の相とあと一年の寿命を告げられ、避けるには出家しかないと教えられます。しかし住職は一年間、麦と大豆だけの食事を続けないと入門させないと断ります。

命惜しさに約束を守り再び易者に会うと「険難の相が消えた。何か大きな功徳を積んだに違いない。」と驚かれ、食生活を改善したいきさつを話すと「それが陰徳を積み、相まで変えたのだ。」と言われたのです。

まさにこの体験が観相師としての原点となり、「食生活が運命をも左右する」という哲学に目覚めさせたのだと思います。

晩年には相法においてに日本中祖の号をおくられ皇室のひいきを受け、財を得る事が出来ました。

 
今と250年前の食生活ではあまりに差が大きく、そのまま当てはめる事はできませんが、その精神は現代でも大いに参考になると思います。いくつか要約を箇条書きしてみます。

 

・  病身短命の人は日々朝日を拝めば長寿を保つ事ができる。

・  美食を続けると消化器系の病気になる。

・  肉体労働者は大食しても良い。

・  吉相でも碁、将棋、遊芸を好むものは出世しない。

・  高齢者の肉食は害が少ない。

・  立身出世の後、相応の裕福を得てからの飲食を楽しむことは良しとする。

・  粗食の者は貧相でも幸運をつかむ。

・  食べ残すことを陰徳とし腹八分の状態であれば食べないことが陰徳を積む。

・  現世に食を慎めば来世に果報を得る。

・  食を慎む事により五臓が健やかになり、身体が健康になれば気力がみなぎり、それに運も開ける。

・  夜なべは大凶、朝寝坊は貧窮短命。

・  五穀と塩に宿る神ほど尊い神はない。

・ 長生きし子宝を得ようとする者はまず水を大切にすべきである。

・  相貌が良くても火を粗末にする者は生涯立身出世しない。

この様に水野南北は食という観点から人間の運命を解き明かしているというところが大変興味深く感じました。

 

記  丹羽央璃

お金持ちと手相

先日、カルチャー教室で『お金持ちの手相.運の良い人の手相講座』と題して2回に分けて講座を致しました。

お金は私達にとって大切なものであり、無くてはならない日常生活上とても必要なものです。なければ困りますし、沢山あるからといって必ず幸せになるとも限らないみたいですね。お金には熱があり、人それぞれ扱える金額が決まっているとも言われています。場合によっては許容量を超えると大やけどするようなケースに陥る危険性もあります。

実際にアメリカで大成功をおさめたスポーツ選手の約6割は、自己破産してしまう傾向があるようです。破産したアメリカの元スポーツ選手の話を例に取り上げますと、現役時代にはお金を使ってもすぐにまた収入があるという状況にあるので、それほど心配することもなくどんどん使っていきます。しかし現役を終了した矢先、お金が減っていく恐怖に襲われる心理状態に変化するそうです。不安に駆られた衝動もありプロの投資家に依頼して資金運用をしようと企てるのですが、過去の栄光にとらわれ、ちやほやされた派手な生活は急には変えることができず、ハイリスクハイリターンな資金運用をして失敗するパターンだそうです。

また、日本でも宝くじの高額当選者には、「その日から読む本、突然の幸せに戸惑わないために」と小冊子が配布されます。内容は宝くじで高額当選したことによって以後の人生が狂わないための心構えなどが、臨床心理士、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの助言を元に書かれています。それでも当選者の多くの方は「自分は運が良いから、多少は使っても又当たるから大丈夫。」などと過信し、浪費に流されるようです。

お金の儲け方に着眼しても人それぞれです。

バブル期の華やかな事業から高齢化という時代背景に合わせ転身された方、金銭を追い求め物言う株主として大成功された方などどうでしょうか?かつて時代の寵児として名を馳せたH氏の全盛期の手相は、ますかけ線で太陽線は生命線まで届き、自身のオリジナリティで稼ぐことの出来る運の良さを物語っていました。しかしながら誰もが大成功と思った矢先にインサイダー取引で逮捕され、当時のニュースで騒がれたことはみなさんご周知の通りです。まるで易経の卦の一つ、乾為天の上爻「亢龍悔い有り。」の如く、天から地へと突き落とされたような現実でした。

それに対して経営の神様として称えられた松下政経塾の創設者・松下幸之助氏、国を憂い日本の資本主義の祖として名を遺した渋沢栄一氏、日本財界の雄として活躍した新日鉄元会長・永野重雄氏など立志伝中の人物の手相を観ると一定の共通点があります。それは三大線がはっきりしている、金星丘の膨らみが特に大きい、また木星丘をはじめ各丘の豊かさがある、運命線・太陽線・財運線が強く針の様に刻まれている、もしくは起点が同じ三奇線であったり、きれいに並行して走るなど運気の強い強い手相が特徴的です。素晴らしい手相をしてるから成功したのではなく、ご自身の才能を社会のために尽くしてこられ、本当の豊かさは何かと気づいていたからこそ、力強い手相となり成功なさったのだと感じます。実際に物よりも奉仕事業などに貢献し、人材を大切にしたことでも名声があります。

いつの時代も、人のお金に対する物質的な気持ちというのは際限なく広がるものです。しかし物欲・金銭欲だけを追求しても本当の意味での喜びとはならないようですね。

今回お金持ちの人の手相、運の良い人の手相を観ながら人の豊かさとは何か、改めて感慨深く思いました。

 

記:玉木仁邦

七月の運勢

誕生月別易占から見る七月の運勢

 

一月生まれ
ご自身の力量をわきまえ、行動していくことが大切です。
不可能と思うことには着手しない判断で吉です。
今までの努力が無駄にならないように守りに徹して下さい。

 

二月生まれ
今までの努力が形となり充実した気分になれます。
ひとまず頑張った自分を褒めてあげて下さい。
満足することなく、次の目標を打ち出しましょう。

 

三月生まれ
今まで備えてきたものを遺憾なく発揮する時です。
内部に留まらず外部への発信を意識しましょう。
自らの経験と実力がものをいいます。

 

四月生まれ
気持ちが定まらず、揺れ動く運気です。
誠意のない適当な返事は信用の失墜になりかねません。
心の隙を見せないように気を付けましょう。

 

五月生まれ
積み重ねた努力は無駄ではありません。
ただ、もうひと押し念には念を入れることです。
底力と忍耐が、より以上の結果をもたらしてくれます。

 

六月生まれ
新しい希望を見つけスタートしたい時ですが、遮りが邪魔をしています。
何も企てずに曖昧な気持ちのままでは行き詰ってしまいます。
今は準備計画の時と捉え、秋頃を目標に備えましょう。

 

七月生まれ
外面では隠せても空虚さが漂う運気です。
内面充実に心掛けましょう。
熱さが増す時期ですし、美味しいものを食べて心も体も元気に!

 

八月生まれ
順風満帆に事が運び、昇進・出世のチャンスがきました。
一歩前に出ての発言も勢いを増し伝わるでしょう。
敵を作らず細心の注意を払うことで好機を保ちましょう。

 

九月生まれ
志同じくする仲間に恵まれます。
抜き出るのではなく、和気あいあいと馴染むことがポイントです。
お互いに向上心を養える関係を築けるでしょう。

 

十月生まれ
食事を意識して運気アップしましょう。
親しい方との交流にも積極的に設けましょう。
調子に乗り過ぎて羽目を外すことのないように、誠意を持った発言が幸運を呼びます。

 

十一月生まれ
賛同が得られず、仲違いの起こるときです。
無理矢理押し進めることは周りの反感を買うことになります。
ひとまず留めること、引く勇気が問われます。

 

十二月生まれ
あなたの実力・魅力が発揮できず、もどかしい思いに駆られます。
今は光を放てない位置の運気です。
焦らず自分磨きの時期と置き換え、底力のある輝きを備えましょう。

 

 

記:越山真知央