「食べ物だけで余命三か月のガンが消えた」 高遠智子著
もうお読みになりましたか?題名だけでグッと引きつけるものがあり、ずっと気になっていた本
です。ガンは一生のうちで二人に一人がなると言われており、まさに現代の国民病となっていま
すね。
この本は単なるレシピ本ではありません。スキルス性末期ガンを宣告された若い女性が死を覚悟
して、最後の夢(モネの庭園を見たい)を叶えるため車いすで単身渡仏します。そこでたまたまモン
マルトルのマルシェでトマトをかじった時、抗がん剤の副作用で乾いていた唾液が溢れ出て「食
べ物で病を治せるかもしれない」と直感するのです。
そこで彼女のとった行動には脱帽です。食の都パリで料理を学ぼうとリッツエスコフィエの門を
叩き、断られても諦めずに入学の許可をもらいます。
おそらく体は極限状態だったことでしょう。しかし “毎日、幸せ ”な心で食を学び続け四年後には
フレンチガストロノミー上級ディプロマを取得するのです。体は再生を続けてほとんどのガンが
消えていきました。
その後中国に渡り国際中医膳師免許を取得し、食で細胞が活性化することを体感します。
この本はガン闘病中の方や食の大切さを理解している方には福音となるでしょう。
私自身も姉をスキルス胃癌で亡くしているのでとても興味深く一気に読んでしまいました。
食の大切さと共にこの本のメッセージにはもう一つ大きな事が込められています。
“これがやりたい”という目標を持つことが、生きるエネルギーとなり、奇跡をも起こすということです。
記 丹羽央璃