易経六十四卦の解釈は無限

皆さんは易経の関連図書は読まれたことありますか?
易経の本は世界各国で出版され、日本でもあらゆる著者の物が出版されています。私も多数所持していますが、一つ問題があります。
それは、文章の解釈が人によって違うのです。
この卦は、古来良い結論とされているのに、著者によってはイマイチなど様々です。しかし、これは今に始まったことではなく昔からその傾向はありました。
解釈に関する有名な逸話があります。
孔子の弟子が遠国に赴き、帰りが遅いので易占を立てたところ、火風鼎の四爻を得たそうです。その際に大方の弟子たちは易経に書かれている「鼎、足を折る」から帰途の手段が得られずに難儀していると捉えていたそうです。しかし、弟子の一人である顔回が船に乗って間もなく帰ってくると答えたそうです。火は師匠、風は船。船が師匠に向かって進んでいる事を示しているのが、この火風鼎と捉え実際に船に乗って帰って来たそうです。
このように易経は文字で結論は提示されているのですが、一つの解釈に凝り固まると本質からかけ離れてしまうのも易経の難しいところ。今は、様々な考え方を学び柔軟なイマジネーションを鍛え、易経に向かう日々を積み重ねています。

記:谷口 尚熙