万物を五つの元素に振り分けた五行(ごぎょう)。
それは木、火、土、金、水の五種類です。
四柱推命の占術では、これに陰陽を加えて十種類とし、
それを十干(じゅっかん)と言います。
さて、この五行で最もパワーを持っているのが、
どれかご存知ですか?
なんと「土」が最もパワーが強いものとして
捉えられているのです。
四柱推命を学びますと、相生五行説や相剋五行説の
考えが出てきます。
その考えはパワーバランスとして均衡を保っています。
となると、土が最もパワーが強いとはおかしいのでは?
となりますね。
実は全く別の考え方があり、それを五行土王説と言います。
四柱推命では、この考え方は出てきませんが、東洋医学では
取り入れており、脾臓や胃は五行で土。
人体の中央に位置し体調不良の症状も、まず食欲不振から
現れるように、体の根幹として見ます。
九星では五黄土星は中央に位置し王様の扱い。
数でも二黒、八白も土で、五行では最も数が多く、十二支でも
全体で丑、辰、未、戌の4つが土の属性で最も数が多いです。
中国では、そもそも土に対する考え方は為政に繋がっており、
開墾、治水、収穫など土を制するものが国を治めるとしています。
言葉にも、土から生まれ土に返るとあるように、土は生物の原点で
あり自然と五行の中では別格の扱いになった上で、五行土王説が
生れたのでしょうね。
記:谷口 尚煕