先日、古典落語の本を読んでいましたら、夢占いを扱った「御慶(ぎょけい)」と言う演目に出会いました。
内容が富くじを見た夢で大当たりさせる内容ですが、その夢を易者が解読する場面があり、古い昔から夢占いが市井の人達に普及してた事を指し示していますね。
では、夢占いはいつの頃からあったのか?
古語に「夢合」と言う言葉があり、「ゆめあわせ」と読みます。
これは正に、夢を未来予想と合わせる夢占い事で、古事記や日本書紀にも出てくることから、奈良時代には日本でも定着していたようです。
では、日本では自然に夢占いが発生したのか?
答えは否で、どうやら古代中国から輸入されたようです。
20世紀初頭に敦煌(とんこう)の岩窟から夢占いの書物が見つかり、唐の時代の複写と判明しました。
この書物の内容が日本にも伝来したようですね。
更に夢占いの書物では無いのですが、三国志では夢占いの達人も登場することから、紀元前には夢占い自体は存在している根拠となっています。
それだけ歴史のある夢占い。
20世紀初頭にフロイトやユングの登場で心理学の観点から、現在では夢は記憶システムの一部として捉えられ占いの分野から離れつつ有ります。
記:谷口 尚煕