ご飯は、なぜ左側?

秋も半ばとなり、一年の中で最もお米の美味しい時期ですね。
食欲の秋と相まって御飯党の私にとっては、この新米の時期は毎年体重増加との闘いです。笑

ところで、御飯を配膳する際に自分側から向かって左に置きますね?
この理由はご存知ですか?
この背景には陰陽説が関係しています。
古来より陰陽の捉え方として、陽を陰より格上に扱ってきました。
そうなると左右を陰と陽に分けた場合どうなるか?

答えは左が陽、右が陰の扱いとなります。
一説には左は火に通じ、右は水に通じ火は陽で水は陰との考えから決まったと言われます。
(※個人的にこの説は少し疑問です)
結果、着物を着るときには襟を右奥左前で左側を一番上に重ね最上として着ます。
大臣でも左大臣が格上です。

日本人にとって米は、食べ物として最も大切の物として扱われてきました。
天皇家では毎年収穫に感謝する新嘗祭も行いますし、江戸時代までは米の収穫量が権力を表すほど日本人と米との関係は歴史の中心に有ったと言っても過言ではありません。
配膳での左側に置く御飯。畏敬の念を示した習慣ですね。

記:谷口 尚熙