神秘十字線

今回は、手の平の中央部にあらわれる十字の印、神秘十字線についてお話いたします。

この線は、ひらめきがあり、神秘的な事柄に興味を抱いたり、信じる心の篤い方に現れるといわれます。何かあってもスッと救いの手が差し伸べられる神秘的な線で、先祖の徳とか加護があるともいわれるラッキーな線です。ご存じの方も多く、手相鑑定会では皆様から「これは神秘十字線ですよね」と逆に聞かれることがあります。
この線は、感情線と頭脳線を横線と縦線で繋ぎ結びつける役割を果たしお互いを橋渡しをします。縦線は自身の運命を担う運命線です。心と知性とのバランスの調和を計るものを表します。

大正時代に、ヨーロッパの手相学が日本に伝わりました。それ以前の中国より伝わった手相術では、感情線を「天紋」生命線を「地紋」頭脳線を「人紋」と呼んでいました。宇宙を構成する天と地、その間に人が位置し、天の時、地の利、人の和、三才揃うと言う言葉があります。天の時(時代の要請、タイミング)、地の利(環境や場所)、人の和(人気、人の支え)「これらが揃うとはじめて事が為す」といわれます。まさに、天と人と地が結び付く線となるのです。
そもそも神秘十字線は、19世紀の占術家キロの著書「手相の言葉」にミスティック・クロスとして描かれています。
現代、日本での手相学はヨーロッパの手相学を中心とした解釈が多いのですが、意外なほど東洋思想に基づく手相術と実占面で共通項が多い事を感じる一つでもあります。

記:玉木 仁邦