六曜は迷信の最たるものですが、現在最も広く使用されている暦注の一つです。
しかし、六曜それ自体の起源については、よくわかっていないのです。
おそらく、もともと一か月30日(または29日)を指の数である五つに分割して、六日ずつの小単位をつくり、その日を数えるためのもの、つまり、ひとまわり六日のそれぞれに付けた名称であったのではと考えられています。
当初は日の吉凶を示すものではなく、現在の七曜と同じように、単に日にちを区別するための記号でした。
それがやがて神格化され、それぞれに吉凶が付加されたのではないかと考えられています。
漢の時代、中国では六行説といって、全ての事象を六つに分類して考える思想が流行しました。
では、日本式の六曜がいつ頃、誰によって考案されたものかは、いまだに不明ですが、江戸時代の終わり頃から暦注書に記載されるようになり、民間でひそかに流行し始めました。
そして、明治六年に太陽暦が実施されるに及び、また第二次世界大戦後になって大流行し、現在に至っているのです。
現在、暦注といえば、この六曜が主役で、ほとんどのカレンダーの日付けの下に六曜が記されています。
記 多田和央