皆さんは「巫」の文字を見かけた事ありますか?
有るとすれば、きっと「巫女(みこ)」という言葉で御存じなのでしょう。この「巫」と言う文字、フもしくはカンナギと読み、これの意味するところ、神を祀り神に仕え神託を伝える人々を指し示します。ですので「巫女」は、まさに神職に携わる女性です。易占で使う「筮竹(ぜいちく)」の筮は竹の棒で神託を得る事をそのまま文字にしているわけですね。
ところで、この「巫」の文字がどうして神託を意味するのか?漢字の作りで「工」の部分について、上の横線が天を示し、下の横線が地を示し、縦棒が天と地をつなぐ様を示すそうです。そして人の文字が2つあるのは、神託を天から地に下ろす際に人々が踊り祈る様を表してるそうで、甲骨文字にも形として残っている事から天に物事の判断を問う行為は人類の誕生と共にスタートしたのかもしれませんね。
ところで、今回「巫」の文字を調べていて、その起源が分からなかったモノが一つあり、それが「噬(ぜい)」の文字です。易経の「火雷噬嗑(からいぜいこいう)」にも出てくる文字で噛む・食べるを意味しますが神託とは無関係。文字の作りだと口から天の言葉が出てくるみたいな意味になりそうなのですが。
どなたか由来をご存知の方いらっしゃいますか?
記:谷口 尚熙