先日、「ユリイカ」という雑誌を読んでいましたら、素敵な詩が掲載されていました。
「花」という題の詩です。どこまで生と死という概念で捉えられるか、若き詩人は花にたとえ「ひとひらのたなごころ」と詩う素敵な詩でした。
その言葉「たなごころ」とは、「手(た)向ける」同じ読み、「手(た)な心」からきています。手の心、手の中心、手の平という意味です。禅語には、明珠在掌(みようじゅたなごころにあり)という言葉があります。明珠とは宝石のことです。自分の持っている宝に気づいていなくて、実は自分の手の中にあるものという意味なのです。明珠とは、個性であり才能、皆様それぞれの明珠をお持ちなのです。
パソコンや携帯等で、「たなごころ」と入力して変換すると「掌」という漢字になります。手相の線は「掌線」と書きます。手相には、ご自身の持っている得意とすることや不得手なことが出ています。
まだ気づいていない魅力と才能と運気の流れは、掌から発見できるのかもしれないですね。
記:玉木 仁邦
ユリイカー2021年3月号
「花」作者ーゆずりはすみれ氏