激動から激変へ

今年の干支は『丙申』(ひのえさる)年です。
(東洋の占いでは節分迄が前年、立春をもってその年の運気の流れとなります。)
十干『丙』は 陽の火でエネルギッシュに輝く太陽のイメージ、意気揚々と中天に昇りつめますが極まれば次第に下り沈んでいくことから世情の浮き沈みの激しさがあります。『丙』の漢字は机や人の足が左右にピンと張る形を表しており、「病」は体が硬く突っ張って自由に動かなくなること、「柄」は取っ手や握りの意味を含み体つき・身分・性質を意味しています。
十二支『申』は言う・のべるという謙遜した言い方、人偏をつけると「伸」となりのびるという意味があり新しい力の進展や挑戦、身体を真っ直ぐに引き延ばすことを示しています。

昨年『乙未』年は、世界各国で熱波・山火事・干ばつ・地震・洪水が相次ぎ、多くの人々が危害を受け作物への被害も多大なるものでした。日本でも火山噴火が続発、台風による鬼怒川沿いの堤防決壊など自然の驚異を目の当たりにすることが頻発しました。世界経済の不安、テロの続発、国同士の不和も高まり、今までになく緊迫した状況となっています。まさに天変地異に相当する激動の年となりました。

平成28年『丙申』年は昨年の流れを引き継ぎ、より以上に吉凶の激しさが伴う激変の年となります。年々拡大する自然現象による被害も、今冬のエルニーニョ現象が世界経済の波乱を引き起こす要因となり、夏場は「史上最も暑い年」と打ち出されています。また世界中の農地では、昨年からの大雨・干ばつ・水不足などから作物の不作が危ぶまれています。経済についても、中国バブルの行方から世界経済への波及が現実のものとなるでしょう。また日本においても日経平均株価が戦後初めての年明け6日続落を記録しました。「陽極まれば陰に転ずる」のが世の常、先行きの見通しは暗雲立ち込めています。世界情勢においても、6日北朝鮮による水爆実験の発表に始まり、主要都市でのテロも多発、依然不穏の一途を辿っています。ますます国同士の争闘が更に表面化し情勢不安は免れない様相となります。

不遇重なる今年は「100年に一度の大難の年」になると言っても過言ではないでしょう。

1月に起こる出来事は今年一年の序章にすぎません。しかし混乱の時こそ冷静さが大切、情報に惑わされることなく本質を見抜いた上での行動が吉凶を大きく左右することとなります。

気を引き締めて激変の時代を渡っていきましょう。

 

記:越山真知央