相撲と占い

大相撲夏場所が5月11日(日)から始まります。

今や外国人力士が多くなった影響からか、土俵上でガッツポーズをする姿や仕切りで腕立て伏せをする横綱も見られることに違和感を感じるのは私だけでしょうか。

相撲は古くより神事との謂れが語り継がれています。

五穀豊穣を願う奉納相撲は神々に捧ぐ感謝の意味があり、立ち合いが行われる神聖な場・土俵には占いの要素を取り込んだ決まり事があります。

土俵の中央の円が陽であるのに対し、外側の四角は陰を表しており、東西南北の方位を配置すると共に季節を表しています。

つり天井の四隅を見れば色のついた房が垂れ下がっており、青房=東の方位で春、赤房=南の方位で夏、白房=西の方位で秋、黒房=北の方位で冬を表し、神様は北の方位より相撲をご覧になるので、行司は反対側の南に配置されることが習わしとなっています。

また房の色は五行思想であり、青は木・赤は火・白は金・黒は水を表し、黄は土で中央にある土俵が配置されています。

そして、対戦相手の番付上位者は東方より土俵にあがります。(土俵入りも同じです)

また行司の掛け声「はっけよい」については諸説ありますが、ひとつは発気揚々と気持ちを高揚させる意味合いと、もうひとつは「八卦よいよい、残った残った」の言葉から易の八卦が良いと八方向(360度)残っていますよ、の意味合いがあるともいわれています。

また、横綱の土俵入りで拍手を打ちますが、陽の左手と陰の右手を合わせることにより、陽と陰が交わり混沌となり、全てのはじまりである大極を形成し無に宇宙が生じます。

相撲と神事は密接な関係があり、数多くある格闘技やスポーツとは違う奥の深さを感じます。

今場所は大躍進に間に合わずざんばら髪が印象的な人気力士・遠藤のまげを結っての相撲をみることができるようですし、またエジプト出身の大砂嵐など熱戦が期待出来そうな予感がします。

 

記:玉木仁邦