赤色は万能?

先日、韓流ドラマの時代劇を見ていましたら、天然痘の蔓延で市井の人らが騒ぎ、病から身を守ろうと様々な行為をする様子が描かれ、男性が女性の服を纏い天然痘から逃れようとする場面が有りました。
実は、男性が女性の服を纏ったのは女性の服が五色の色で作られていて、その五色を身に着ける事で万難を排す事が出来るとの民間の噂が広まった事に拠るものでした。五色は陰陽五行の木火土金水を示す色で、全てが揃うと安定に至るとの考えが有ります。
日本でも天然痘に対し、同様に色に拘った風習が有ります。天然痘を日本では疱瘡神(ほうそうしん)の災いとして捉えられ、その厄除けとして、赤色が好んで使われ下着や置物を患者に用いられたそうです。陰陽五行で赤は火を表します。火は古来、魔を払う意味が有り過去の時代劇では出かける前の火打石などは厄除けの典型ですね。
この世に於いて、火を扱える動物は人間だけ。人間以外の動物は火を怖がりこれが魔を防ぐ由縁になっているとも言われます。更に火を扱う事で文化文明を手に入れたので、五行の火の意味に内包されています。
そう考えると、火を示す赤色はスーパーカラーかもしれませんね。

 

記:谷口 尚熙