アスリートの幕引き

先日、日本女子サッカーリーグ・INAC神戸レオネッサ所属の澤穂希氏が現役引退を発表しました。澤氏といえば「なでしこジャパン」を世間一般に浸透させた立役者です。座右の銘は「夢は見るものでなく、かなえるもの」と掲げ、試合に女子サッカー存在のアピールにと尽力し続ける姿勢にはアスリート以上の魅力と人徳を感じずにはいられません。どのような星を持ち合わせた人物か、また引退の時期について四柱推命で観ていきましょう。

澤 穂希 様
1978年9月6日生まれ
年 戊午(丁) 印綬 偏官  ビ
月 庚申(庚) 劫財 劫財  帝
日 辛未(己)    偏印  衰
空亡  戌亥
五行 「木」無、「火」1、「土」2、「金」3、「水」無

日干「辛」は陰の金、物事を細かくシャープに捉え勘の鋭いタイプです。繊細な心の持ち主で周りへの配慮も抜群ですが、気付きの多いあまり神経質になりやすく取り越し苦労をしてしまうことも多いです。
日支の「未」は家族や身内を大切にします。仲間意識が強い上に日支「未」と年支「午」は支合していますので、周りとの調和を大事にしますし、人受けも良いタイプでしょう。サッカーは個人競技ではなく団体競技ですので持ち前の勝負強さと周囲との調和が同居する澤氏の人柄は、チームメイトからの支持も厚いことが読み取れます。
五行をみますと日干五行「金」の大過となり、命中の通変星をみても「劫財」2つあり自星の大過となるので、体力・気力ともに長けスポーツ選手としてはとても有利な上に、中心星は「劫財」で、行動力・パワーに満ち溢れ人がやり遂げられない事をやり抜く強さを持っています。負けず嫌いで勝負事にもめっぽう強くスポーツ選手には優越な星を持っていますが、日の十二運は「衰」で、控え目で保守的なので表立った迫力に欠けます。
また彼女の命式には「印綬」「偏印」と母親を表す印星が2つあり、どんなに忙しくても試合を見に行き常に励まし続けたという母親との縁の深さが刻まれています。

2011年 辛卯 比肩 絶
2011FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会ではキャプテンとして出場、日本サッカー史上初のW杯優勝に大きく貢献。日本人初となるW杯での得点王とMVPの二冠を達成。
「比肩」は勝負事に良い年であるとともに、月支の「未」と「卯」は三合半会となり物事が順調に進む事を表しています。一般的に知名度が低かったサッカー女子「なでしこジャパン」の存在を轟かす機会に恵まれ、これまでの鍛錬の成果が開花した年となりました。

2012年 壬辰 傷官 ボ
3月ポルトガルで開催されたアルガルヴェ・カップ2012の遠征中に体調不良あり。帰国後「良性発作性頭位めまい症」と診断され、日韓女子リーグチャンピオンシップやキリンチャレンジカップを欠場。4月なでしこリーグ第2節福岡J・アンクラス戦で実戦復帰。
ロンドンオリンピックでは、決勝で敗れたものの五輪で初の銀メダルを獲得。残念ながら得点することはできなかった。
この年、一時は引退もささやかれていた澤氏ですが、「サッカー選手としてはやれるまでやりたい。自分の中で『ここまで』と決めると、それ以上の成長がない。一度きりのサッカー人生なので。」とコメントしていました。「傷官」の年は仕事上のトラブルを抱えやすい運気となりますので体調面には注意が必要であり、挫折してしまいそうな気持ちに追い遣られていたのかもしれません。しかし衰運期となる年に辞めてしまうと後々後悔が残ってしまいます。ここで踏みとどまり現役続行したことは勇気ある選択だったでしょう。

2015年 乙未 偏財 衰
今季限りの現役引退を発表。
スポーツ選手というのは経験が大きく加味しながらも、いつかは体力的年齢的なことを無視できない時期に差し掛かります。惜しまれる報道ではありますが、空亡などの衰運期ではないところでの引き際は理想的な勇退です。

選手生命に終わりを告げても生きている限り人生に終わりはありません。
いつか指導者へと志のある澤氏の第二の人生にエールを送りたいですね。

 

記:越山真知央